PRP Therapy

PRP療法

PRP 療法は再生医療の一種として、ご自身の血液由来の多血小板血漿を用いた治療法で、近年様々な組織の治療へ使用が開始されました。
成長因子を豊富に含むPRP を注入することで血流が改善され、損傷した組織の再生をサポートします。

PRPとは

PRP(Platelet Rich Plasma)は、遠心分離機を用いて血液中の血小板を高濃度に濃縮し、活性化させた血漿で、多血小板血漿と呼ばれます。
PRPには、傷の治癒を促進する成長因子が豊富に含まれ、組織の修復や再生をサポートする力があります。

患者様自身の血液を利用するPRP療法は、関節症の痛みの緩和や肌の改善、薄毛治療など、多くの分野で効果が期待され、広く注目を集めています。

PRPに含まれる主な成長因子

PRPに含まれる成長因子は、細胞の活性化や組織修復を支える重要な成分です。特に以下の表のような成分が注目されています。それぞれが異なる作用を持ち、相乗的に働くことで生体の自然治癒力を効果的に高めると考えられています。この複合的な作用により、さまざまな疾患や損傷の回復が促進されると期待されています。
PDGF(血小板由来成長因子)

細胞の増殖と血管新生の促進、組織修復

TGF-β(トランスフォーミング成長因子β)

コラーゲン産生の促進、組織再構築

VEGF(血管内皮増殖因子)

血管新生の促進、血流改善

EGF(上皮成長因子)

上皮成長因子/皮膚・粘膜の修復と再生

IGF-1(インスリン様成長因子)

軟骨や細胞の成長促進、修復

CTGF(結合組織成長因子)

軟骨細胞の増殖や、組織を支える構造成分の生成の促進

女性器の老化によるお悩み

加齢やホルモンバランスの変化により、女性器の皮膚や粘膜が薄くなり、乾燥や弾力の低下が進むことがあります。その結果、性交時の痛みや不快感、尿漏れ、違和感などが生じ、日常生活の質(QOL)に影響することがあります。また、見た目のたるみやシワ感、腟のゆるみなど、女性ならではのデリケートな変化に悩まれる方も少なくありません。

こうした変化に気づきながらも、「年齢のせい」として諦めてしまっている方も多いのが現状です。このような悩みを改善するには、自己血液を用いた再生医療であるPRP療法が、機能面・美容面の両方からアプローチする選択肢のひとつとなります。

こんな方に

  • 性交時の痛み・乾燥感がつらい
  • 腟の締まりが悪いと指摘された
  • ふっくらと若々しい印象を取り戻したい
  • 咳やくしゃみで尿漏れがある
  • 腟に空気や水が入りやすい
  • 外陰部のシワ・たるみが気になる

[女性器]へのPRP 投与

自己血液から取り出したPRPを女性器に注入することで、腟壁の再生をサポートし、粘膜や皮膚の潤い・弾力・締まり感の改善を目指します。
見た目や機能に関する悩みに対して、自然な修復力を活かした再生医療のひとつです。

女性器PRP

女性器の皮膚・粘膜の老化を改善

加齢やホルモンバランスの変化により、女性器の皮膚や粘膜が薄くなり、乾燥や弾力の低下が進みます。これにより、女性器にシワやたるみが生じることがあります。 PRP療法では、血流の改善とコラーゲン生成を促進し、女性器の皮膚・粘膜にふっくらとしたハリを取り戻し、色素沈着によるくすみを改善する効果も期待できます。

尿失禁の改善

加齢やホルモンバランスの変化により、女性器の筋肉や組織が衰えることで尿道の締まりが弱くなり、尿失禁が起こることがあります。PRP療法では、コラーゲンやエラスチンの生成を促進することで、女性器周辺の筋肉や組織の機能を改善します。このアプローチにより、尿失禁の症状を軽減し、日常生活の質を向上させることが期待できます。

更年期症状の緩和

加齢やホルモンバランスの変化により、腟の乾燥やかゆみなどの不快な症状が現れることがあります。PRP 療法は、細胞の再生を促し、腟粘膜の保湿力や柔軟性を向上させることで、こうした症状の緩和を目指します。また、潤い不足や摩擦による違和感の軽減にもつながることが期待されます。

[子宮内膜]へのPRP投与

 

複数の研究・メタアナリシスにより、PRPの子宮内注入が内膜の厚みを増し、着床率や妊娠率を改善する可能性が報告されています。

[変形性関節症]へのPRP投与

ひざなど痛みのある関節内に、ご自身の血液から抽出した多血小板血漿を注入する治療法です。血小板に含まれる成長因子が炎症を抑え、組織の修復を促進することで、痛みの軽減や関節機能の改善に優れた効果を発揮します。

ヒアルロン酸注射などでは十分な効果が得られなかった方や、手術を避けたい方にとって、有力な治療選択肢となります。

ひざの痛みに有効

患部に直接注入することで、ひざの痛みを和らげ、関節の機能を改善するため、通院が必要な薬物や手術に頼らずに関節症の症状を緩和したい方に有効です。また、痛みを繰り返す慢性的な関節痛にも効果が期待できます。
炎症の軽減

PRPに含まれる成長因子が炎症を抑え、痛みを軽減します。

軟骨の修復
ひざの軟骨の損傷を修復し、関節の動きやすさを取り戻します。
血流の改善

注入されたPRPが血流を促進し、酸素や栄養が効率よく届けられることで、組織の回復が早まります。

肩や股関節への注入も有効

PRP療法は膝の関節だけでなく、肩や股関節などの痛みの軽減にも有効です。肩や股関節は、動きや負担が大きいため、痛みや可動域の制限が生じることがあります。痛みを感じる部位にPRPを注入することで、損傷部位に働きかけ、炎症を抑制します。

治療の流れ

1

診察・血液検査

症状やお悩みを詳しくお伺いし、診断を行います。その後、検査の内容についてわかりやすくご説明します。

2

採血

PRPを精製するために、患者様から血液を採取します。

3

PRP(多血小板血漿)を抽出

採取した血液を専用の遠心分離機にかけ、必要な成分であるPRPを取り出します。

4

PRPを注入

抽出したPRPを注射器で患部へと注入します。

5

再検診

PRP療法は、時間をかけて組織の再生を促す治療です。効果を確認するため、注入後数ヶ月を目安に再診を推奨しています。